小田原に来て生活の質が上がった、という話はこれまでに何度か記事に書いてきました。過去記事:小田原の住みやすさと暮らしの質。朝は鳥のさえずりが聞こえ、夜は虫の音を聞きながら静かに過ごす。こんなに心が穏やかになる暮らしが待っているとは、移住してきて良かったなとしみじみ思います。そんな「良い暮らし」を、私は小田原という地で手に入れたのですが、そもそも何が私にとって良い暮らしなのか、良い暮らしってどんなものだっけ、みたいなことをぼんやりと考えることがあったので、今日はそのことについてまとめてみました。「良い暮らし」ってなんだろうそもそも「良い暮らし」とは何なのでしょうか。まず”暮らし”の辞書的な意味は1 暮らすこと。一日一日を過ごしていくこと。「都会での—に慣れる」2 日々の生活。生計。「豊かな—」「—の足しにする」引用元:weblio辞書だそうです。1日1日を過ごしていくことや、日々の生活のことを指します。これに”良い”という形容詞が付いているので、毎日を良く過ごしていくこと、良い生活が送れていること、そしてそれが実感できていることが「良い暮らし」なんじゃないかと。ただ、あまりにも抽象度が高すぎるというか当たり前すぎるので、もう少し「良い暮らし」について調べてみたところ、よくまとまった一節に出会いました。このような動きにより開発された幸福度指標として代表的なものが、OECDの「Better Life Index(より良い暮らし指標)」です。Better Life Indexは、住宅、所得と富、雇用と仕事の質、社会とのつながり、知識と技能、環境の質、市民参画、健康状態、主観的幸福、安全、仕事と生活のバランスという11の項目により構成されます。引用元:国土交通白書 第2節 豊かな未来の姿はい、完璧に言語化されてますね。しかもOECDなので権威性がすごい。確かにこれらが全部バランス取れてたら良い暮らしは送れそうですし、小田原に来て大体満たせてるな、やっぱ小田原すごいな、なんてことを思いました(仕事についてはリモートワークのおかげですが)。ただ、それぞれの項目に対する”良い”の基準はそれぞれです。そのため、みんながみんな小田原に来たから「良い暮らし」を感じられるとは思っていないですし、今の暮らしに満足している人も、実はより理想的な地域があるかもしれません。だからまずは、自分にとって「良い暮らし」とはなんなのか、ってのを整理するところから始める必要がありそうだなと考えました。例えば、私にとっての良い暮らし一例として、私にとっての良い暮らしを紹介します。まず、家族みな健康でいること。これは大事ですね。あとは自然との距離が近いこともかなり重要です。そんで、地域のものを食べたり伝統に触れたりしながら暮らしたい。また自分自身も地域の一部となって、何かしら貢献できる余白があったらより良いなと思っています。もっと具体的な話でいうと、良い暮らしに欠かせない”ささやかな幸せ”はすでに感じています。朝、自転車で釣りに行って釣った魚を夜にそのまま食べたり、海辺で焚き火をしたり。将来こどもが大きくなったら、自転車の後ろに乗せて一緒にやりたいな、なんてことを想像して幸福を感じていたり。そんなささやかな幸せを噛み締め、未来を妄想しながら日々の暮らしを丁寧に生きることが、私にとっての「良い暮らし」だったりします。当たり前になっているこの日常は、都内に住んでた頃だったら絶対に手に入らなかったものなんですが。それが今、現実のものになっているなあと。あとは、小田原も好きだけど都内にも友達はいるのでたまには飲みにもいきたい、みたいなニーズも満たせているのが、私にとっての良い暮らしを引き立てています。何かを得るために何かを諦める、みたいなことをせずに、いいとこ取りの暮らしを手に入れられたのは大きいです。強いていえば終電がちょっと早いくらい。(おかげで飲み過ぎないので、これはこれでよい。)これらはあくまで一例ではありますが、もともと潜在的に私の中に持っていた「良い暮らし」であり、ある程度実現できた例になります。共感いただけた人もいるでしょうし、そこまで魅力を感じない人もいるはずなので、やっぱり1人1人にとっての”良い暮らし”があるんだろうなと感じます。自然と集まる良い暮らしの要素私の場合は、良い暮らしを一定実現できているのですが、まだまだそうではない方が自分なりの「良い暮らし」を手に入れるには、まず漠然とでもイメージすることが大事だと思っています。むしろ明確に決めつけることなく漠然としておくことで、今はまだ気づいていない「良い暮らし」の要素に気づけたりもします。例えば先程の釣りについても、始めたのはここ数ヶ月の間です。それまではほぼ無関心だったのですが、たまたま職場のメンバーと小田原で釣りをすることがあり、そこからぐいぐいとのめり込んでいきました。これもやはり小田原というフィールドに身を置いたからであって、釣りがいつでもできる「海」が近くにあったからなんですよね。他にも「焚き火」や「DIY」など、小田原にきてから始めた趣味がいくつかあるのですが、これも移住前からハマっていたわけではなく、もともとは読書とカメラ暮らししか趣味がない人間でした。小田原に住み始めたからこそ、私の中に眠っていた潜在的な興味が引き出されていった感じがします。小田原移住で増えた趣味のはなし。だから漠然と「良い暮らし」のイメージをして、ピンときた地域に身を移せば、日々の暮らしを良くする要素はどんどん舞い込んでくるのだと思います。そういう意味で、環境ってやっぱり大事ですね。暮らしと仕事のスピード感の違い「良い暮らし」を感じている瞬間は、時間の流れがすごくゆっくりに感じます。ただ一方で仕事については、デジタルマーケティング分野の成長中SaaS企業という、とてもスピード感が大事な分野に従事しています。そのため気持ちの切り替えがとても大事なのですが、スピード感の違いを感じられるからこそ、双方がとてもよく感じられているような気もします。ずっとゆっくりでも飽きてしまうし、ずっと速すぎても疲れてしまいます。何より走り続ける生活には、余白がない。もちろん突っ走るのも大事だけど、視野が狭くなるデメリットもあるので、これは自らのライフステージやキャリアにもよると思うのです。私も30代なのでそこそこ中堅どころ。視野を広げていくことも並行して必要なので、この違ったスピード感を大切にしていきたいです。今在るものを大切にすること最後にこれだけは伝えたい、「良い暮らし」を送るために大切だと思うこと。それは、今在るものを大切にすることです。理想の暮らしをイメージしつつも、今在るものにフォーカスをしないと、いつまで経っても良い暮らしを実感することができないと思っています。人間の欲は底なしなので、何かを手に入れたらどんどん次のものが欲しくなります。ドーパミンがどんどん出てきますからね。なので何が欲しいかよりも、今何を持っているかを意識する方が、幸せになれる気がします。そんな私が今欲しいものはSUP、車、家などなど。物欲にまみれています。そうです、「今在るものを大切にする」はただの自戒です。本当にキリがないなあと。これからも身の丈にあった形で、暮らしをよくしてまいります。それでは。